なぜそうなるか

単元未満株の配当は「1円未満だと切り捨て」?証券会社2社の原文には書いてありませんでした

単元未満株の配当について、「1円未満は切り捨てられます」という説明を見かけたことはありませんか。

証券会社によって扱いが違う、という書き方もよく出てきます。ところが、実際に証券会社のページを開くと、そこが書かれていないことがあります。

今回は、2社のページに書いてあることと書いていないことを並べます♪

この記事でわかること ・SBI証券と野村證券の原文に、1円未満の配当の記述は無い ・野村の「1円未満の端数を切捨てます」は配当の話ではない ・かわりに書いてあるのは、もっと手前の条件 ・SBIは特別口座があると受取方式が選べないと書いている ・当方が確かめたのは2社だけ

まず、野村證券のページです

1円未満の配当は切り捨てられるのですか?

当方が引いた2社のページには、その記述がありませんでした。書いてあるのは別のことです。

野村證券の「お取引のルール(まめ株(単元未満株))」に、配当についてこう書かれています。

配当金については、単元株と同様に保有株数に応じて支払われます。

「単元株と同様に」とだけ書かれています。 単元未満株だから特別な扱いになる、という説明はここにありません。

「1円未満の端数を切捨てます」は、同じページの別の場所にあります

同じページに、たしかに「1円未満」という言葉は出てきます。ただし、かかっている先が違います。

代用有価証券適格銘柄のまめ株(単元未満株)は信用取引の代用有価証券として取扱い可能です。代用有価証券の評価額に小数値がある場合は、1円未満の端数を切捨てます。

切り捨てられるのは「代用有価証券の評価額」です。

野村のこの文は、単元未満株が「信用取引の代用有価証券として取扱い可能」だと書いたうえで、その評価額の端数について述べています。切り捨ての対象は評価額です。

配当金をいくら払うか、という話ではありません。同じページに「1円未満」と「切捨て」が並んでいるので、そこだけ取り出すと配当の説明のように見えます。

当方も最初、検索結果の要約を見て「やはり切り捨てなのだ」と思いました。原文を開いて、かかっている先が違うことに気づいています。

言葉が一致していても、かかっている先まで一致しているとは限りません。引用するときは、その文が何について書かれているかを前後ごと見るほうが確かだと思います。

このあたりは、二次的な説明が広がる過程でよく起きることだと思います。誰かが要約し、その要約がまた要約される間に、かかっている先が落ちてしまいます。

同じ語が出てくることは、同じ話をしている証拠になりません。何にかかっている文なのかを見ます。

SBI証券のページには、別の条件が書いてあります

SBI証券の「単元未満株の配当金はどうなりますか?」には、こう書かれています。

単元未満株の配当金についても配当金受領サービスをご利用いただけます。

こちらにも、1円未満の話は出てきません。

そして、そのあとに条件がひとつ置かれています。

ただし、信託銀行の特別口座で保有する株式(単元未満株を含む)がある場合は、「株式数比例配分方式」を選択できません。

「株式数比例配分方式」がどういう方式かは、このページには説明されていません。書かれているのは、条件に当たると選択できないということだけです。

書いてある条件のほうが、手前にあります

並べると、こうなります。

書いてあること1円未満の記述
野村證券配当金は単元株と同様に保有株数に応じて支払われる無し(「1円未満」は代用有価証券の評価額)
SBI証券配当金受領サービスを利用できる/特別口座があると株式数比例配分方式を選べない無し
2社とも、単元未満株の配当そのものには条件を付けていません。 条件が付いているのは、受け取り方のほうです。

SBIが書いている条件は、1株あたりいくらという話よりも手前にあります。受け取り方を選べるかどうか、という段の話です。

気にする順番としては、受取方式が選べるかのほうが先になりそうです。金額の端数より、そちらのほうが原文にはっきり書かれています。

SBIの文は「信託銀行の特別口座で保有する株式(単元未満株を含む)がある場合は」という書き方になっています。単元未満株だけを指した条件ではなく、その口座に株式があるかどうかを問う形です。

特別口座がどういうものかは、このページには説明されていません。当方もここから先は引けていないので、書かないでおきます。

そして、この条件は「配当がもらえるか」ではなく「どの方式で受け取るか」にかかっています。もらえる・もらえないの話とは段が違います。

ここまでが、2社のページから読み取れる範囲です。1円未満という切り口で探し始めて、出てきたのは別の段の条件でした。

当方が確かめていないこと

ここまでが、2社のページに書いてある内容です。

ほかの証券会社については引いていません。「証券会社によって扱いが違う」という説明そのものを否定はできません。当方が言えるのは、この2社の原文には書いていなかったということだけです。

配当が1株あたりで1円に満たない場合に実際どう処理されるかも、この2ページからは分かりませんでした。書かれていないことを、書かれているように並べないでおきます。

「書いていない」は「起きない」ではありません。気になる場合は、ご利用の証券会社に直接お尋ねください。

当サイトは、銘柄をすすめません

この記事には、会社名として証券会社の名前が出てきます。口座をすすめるものではありません。

書かれているのは、それぞれの会社が自分のページに何と書いているかだけです。その内側でどう読むかは、それぞれの事情によります。当サイトは、その判断の材料になる公表されている文を置いておく場所です。

まとめ
・野村證券は「配当金は単元株と同様に保有株数に応じて支払われます」と記載
・同じページの「1円未満の端数を切捨てます」は代用有価証券の評価額の話
・SBI証券も1円未満には触れず、配当金受領サービスを利用できると記載
・SBIは特別口座があると株式数比例配分方式を選べないと書いている
・当方が引いたのは2社だけで、他社は確かめていない

よくある質問

1円未満の配当は本当に切り捨てられますか

当方が引いた2社の原文には書かれていません。ほかの会社がどう扱うかは確かめていないので、ご利用の証券会社にご確認ください。

代用有価証券とは何ですか

このページには定義が書かれていません。出てくるのは「信用取引の代用有価証券として取扱い可能です」という一文で、引用した切り捨ては、その評価額についての記述です。

特別口座があると、何が変わりますか

SBI証券は「株式数比例配分方式」を選択できないと書いています。それ以外に何が変わるかは、このページには書かれていません。

出典

この記事の文は、上の各ページに書かれている表現をそのまま引いています。各社の規定は変わることがあります。ご判断の前に、必ず出典のページとご利用の証券会社の最新の案内をお確かめください。当サイトは銘柄や商品をすすめる場所ではありません。

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